ヒューマンエラーを防ぐ組織・体制|ヒューマンエラーの基礎知識4

ヒューマンエラーの基礎知識
著者:伊藤コンサルティング 伊藤 良太

ヒューマンエラーの発生要因の一つが、組織の風土や雰囲気です。ヒューマンエラーの多くは、個人のミスだけで発生するものではありません。第4回は、ヒューマンエラーを防ぐ組織・体制について説明します。

第4回「ヒューマンエラーを防ぐ組織・体制」を解説していきます。

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1. ヒューマンエラーが起こりやすい組織

ヒューマンエラーが発生する要因には、組織の風土や雰囲気、または管理監督者の意識の問題があります。重大な事故やトラブルにつながるヒューマンエラーを招きやすい組織の主な特徴は2 点です。

1:経営者や管理者のヒューマンエラーに対する認識が低く、ヒューマンエラー防止を重要視しない。

2:現場の人たちが目先の作業に追われ、ヒューマンエラーを防ごうという意識が低い。

このような環境の組織は、目先の利益や効率を最優先して、細かいルールや手順をおろそかにする傾向があります(図1)。ヒューマンエラー防止の概念が希薄になり、ヒューマンエラーが発生しても気付きにくくなります。そして、そういった積み重ねが重大な事故やトラブルにつながります。このような組織の風土や環境を変えるためには、経営者と現場、双方の意識改革が必要です。次の章から、それぞれが取り組むべきことについて詳しく説明します。

目先の作業に追われ、作業手順がおろそかに
図1: 目先の作業に追われ、作業手順がおろそかに

2. 経営者・監督者のヒューマンエラー対策

経営者や監督者は、どのようにヒューマンエラー対策に取り組めばいいのでしょうか。大切なポイントを2点紹介します。

1:ヒューマンエラーを防ぐことの重要性を認識する
経営者・監督者がまずすべきことは、ヒューマンエラーを防ぐことの重要性を認識することです。健全な危機意識を持つために、ヒューマンエラーで起こりうる事故の規模と、自社の経営に及ぼす影響を具体的に知る必要があります。そのためには、外部のセミナーや書籍で勉強することに加え、自社の現場から学ぶことが最も効果的です。ヒヤリ・ハットの改善会議や、対策を行っている現場に足を運び、定期的に情報収集をしましょう。自社のヒューマンエラー対策の現状を知ることが、経営者・監督者にとっては何よりも大切です。

2:現場を支援する
ヒューマンエラー対策を行う現場を支援し、現場のモチベーションを高めることは、継続的なヒューマンエラー対策に不可欠です。朝礼や会議などでヒューマンエラー対策の重要性を繰り返し伝えたり、対策を進めやすい組織を構築したりすることで、従業員へ本気が伝わります。そうすると、従業員の日々の取り組みが前向きになり、スピード感あるヒューマンエラー対策が行われます。

また、現場からの声に素早く対応することもポイントです。改善活動が形骸化、自然消滅してしまう理由の一つに、現場から上がってくる提案や情報について監督者など上層部がきちんと対応しないことがあります。自分の意見が無視されて、モチベーションが上がるはずがありません(図2)。ヒヤリ・ハット活動などの改善活動は、継続してこそ意味があります。現場からの情報や改善案に適切に対応し、現場のモチベーションを維持しましょう。対応できない場合は、理由・基準を明確にして、現場が納得できるようにする必要があります。

上層部からの対応など何らかの反応がないと、現場のモチベーションは低下
図2:上層部からの対応など何らかの反応がないと、現場のモチベーションは低下

3. 現場の組織・体制づくり

4. 経営者・監督者と現場が共同で取り組む

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全5回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 ヒューマンエラーとは
  • 第2回 ヒューマンエラーとヒヤリ・ハット
  • 第3回 ヒューマンエラーを防ぐチェック方法
  • 第4回 ヒューマンエラーを防ぐ組織・体制
  • 第5回 ヒューマンエラー防止の考え方

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