前回は、ヒューマンエラーとヒヤリ・ハットについて取り上げました。今回は、ヒューマンエラーを防ぐためのチェック(確認)の方法と重要性について考えてみましょう。
第3回「ヒューマンエラーを防ぐチェック方法」を解説していきます。
1. チェックの目的
ヒューマンエラーの対策には、チェックが必要です。チェックとは、自分が行った仕事・作業・業務に間違いがなく、出来栄えの良し悪しを確認することで、ヒューマンエラーを防ぐために広く用いられています。例えば「データの入力に間違いがないか」、「投入した量は正しいか」、「製品は指示通りの品番か」、「操作は手順通りか」などをチェックします。しかし、ヒューマンエラーでチェックが漏れてしまったために、事故やトラブルにつながった事例が多くあります。チェックの方法にも工夫が必要です。
2. ヒューマンエラーを防ぐダブルチェック
ヒューマンエラーを防ぐためには、どのようにチェックを行うべきでしょうか。代表的なものに、ダブルチェックがあります。これは、作業者自身だけでなく他の人が、同じ内容を確認することです。作業者以外の人がチェックすることで、作業者自身が見落としていたミスや確認漏れ、認識違いなどを発見できます。
ダブルチェックの注意点は、ダブルチェックが、かたちだけになってしまい、形骸化することです。例えば、作業者本人が「自分以外の人が確認するだろう」と考え、確認を怠ってしまうことがあります。同様に、作業者以外のチェック者が「作業担当者が確認しているから、自分は細かくチェックしなくても大丈夫」と確認を怠ってしまう場合もあります。作業者ともう一人のチェック者がどちらも確認を怠れば、ミスが見過ごされてしまいます。ダブルチェックの形骸化を防ぐには、当事者と他のチェック者が別々にチェックするのではなく、一緒に確認するといった工夫が必要になります(図1)。
3. ヒューマンエラーを防ぐチェックリスト
全5回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 ヒューマンエラーとは
- 第2回 ヒューマンエラーとヒヤリ・ハット
- 第3回 ヒューマンエラーを防ぐチェック方法
- 第4回 ヒューマンエラーを防ぐ組織・体制
- 第5回 ヒューマンエラー防止の考え方