前回は、地域における病院の施設計画について解説しました。今回は、病院単体の全体計画、および設計について説明します。
第3回「病院単体の全体計画・設計」を解説していきます。
1. 配置計画
配置計画とは、病院の各棟を敷地内でどのように配置するかを考える計画で、ブロックプランと呼びます。まず、容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積-各階の床面積の合計-の割合)や建ぺい率(敷地面積に対する建築面積-建物を真上から見たときの面積-の割合)の他、隣地や周辺道路の日照・通風・採光を確保するために、主に建物の高さに関して、道路斜線・隣地斜線・北側日影制限などの法規的検討を行います。
次に、患者の来院や職員の出退勤、物品の搬入・搬出、遺体の搬出などの動線を考えます。それぞれの敷地への出入り口や構内の動線や駐車場の配置を考え、四季による日照・風向きの変化も考慮します。並行して、構内の舗装や植樹といった外構計画も行います。その際に、周辺市街地との関係、特に病院からの風景や病院自体が周辺からどのように見えるかにも配慮が必要です。
病院の各部屋が持つさまざまな異なる機能は、院内の多様な活動を反映しています。配置計画では、まず同じような機能の部屋を集めた部門の全体構成を考えます。部門には、病棟、外来、診療、供給、管理の5つがあります(表1)。そして、各部門間での人、物、情報の流れを考慮して、効率のよい部門配置を計画します。
2. 動線計画
動線計画とは、人の動きを線で結んだ動線を分析して、合理的な設計をすることです。院内の人々には、患者(外来、入院)、来訪者(家族、付き添い、見舞い)、病院スタッフ(医療、看護、コメディカル)、外注者(事務、メンテナンス、委託)に分けられます。これら利用者のグループによって、建築や設備に対する要求は異なるため、動線計画では部門ごとの優先順位を常に考える必要があります。
3. 物流計画
4. 情報計画
5. 安全計画
6. 成長と変化の計画
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 病院建築・設備の特徴
- 第2回 病院の地域施設計画
- 第3回 病院単体の全体計画・設計
- 第4回 病院の部門計画
- 第5回 ライフサイクルとファシリティマネジメント
- 第6回 20世紀型病院建築までに至る変遷
- 第7回 次の世紀に求められる病院建築とは