やりっ放しにしない!HACCPの検証方法|HACCP実践の基礎知識4

HACCP実践の基礎知識

著者:株式会社フーズデザイン 代表取締役 加藤 光夫

前回は、実際にHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点)を運用する方法について解説しました。最終回となる今回は、複数製品を製造する工場でのHACCP の運用、また効果的なHACCP ができているか検証したり、記録する方法について解説します。

第4回「やりっ放しにしない!HACCPの検証方法」を解説していきます。

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1. 複数種類の製品を作る場合、HACCP はどうなる?

HACCP の組み立て方は、製造する製品ごとに違います。しかし、多くの牛乳工場では、ヨーグルトやアイスクリームも一緒に作っています。ソーセージ工場でも、ソーセージだけ作っている工場はほとんどありません。ハム、ベーコンなども一緒に作っています。

ソーセージ、ハム、ベーコンの主な原料は豚肉です。原料の豚肉を下処理してから、製造はソーセージ、ハム、ベーコンの3 つのラインに分かれます。分かれた後、加熱工程のスモーカーで一緒になり、冷却、パッケージも同じ製造室で行うことになります。その後の箱詰めから出荷までも同じです。

このような場合、従来はソーセージ、ハム、ベーコンといった、製品ごとに3 つのフローチャートとハザード分析シートを作っていました。同じ工程も3 つに分けてシートを書くので手間がかかります。下処理、スモーク、冷却、パッケージから出荷までは同じ作業室で管理するので、まとめた方が効率的です。

このような、複数の製品を製造する場合にまとめて管理する方法を、総菜工場を例に見ていきましょう(図1)。

多種類の製品を製造する工場の例
図1:多種類の製品を製造する工場の例

焼き物(オーブン)、フライ、蒸し物(スチコン:スチームコンベクションオーブン)、煮物(蒸煮鍋)といった加熱製品や、生野菜を使ったサラダも同じ工場で製造しています。

加熱調理をする食材は、下処理をした後、それぞれの調理ラインに行きます。この加熱調理工程がCCP(Critical Control Point:重要管理点)になります。加熱調理した後、全て冷却室に行きます。この工程はOPRP(Operation Prerequisite Programs:オペレーション一般的衛生管理)です。

生野菜の場合、殺菌洗浄がCCP です。この後の脱水機はきれいな必要があるので、ここがオペレーション一般的衛生管理OPRP になります。

また、容器はワンウェイではなく、配達した後回収する方式なので、汚れた容器が工場に戻ってきます。これを洗ってから再利用します。洗浄してから加熱殺菌しており、この容器内側の拭きとり検査がオペレーション一般的衛生管理OPRP です。

そして、調理品、生野菜、容器が全て盛り付け室に行きます。盛り付け時の環境は、特にきれいな必要があるので、この工程もオペレーション一般的衛生管理OPRP になります。その後の配送から提供までが一般的衛生管理PRPです。ここまでの製造工程をフローチャートにすると、図2 のようになります。

総菜工場での多種類製造のフローチャート
図2:総菜工場での多種類製造のフローチャート

これをもとに、全てを管理するHACCP を組み立てます。全ての工程を入れ、製品群別にどの工程を通るのかをまとめたものが、表1 の総括表になります。これで全てが1 つの表にまとまり、各工程での安全管理が一目で分かるようになります。

複数製品群の製造工程と管理方法をまとめた総括表
表1:複数製品群の製造工程と管理方法をまとめた総括表

2. 実施中のHACCP が適切か?:HACCP の検証方法

HACCP を組み立てたら、実施している一般的衛生管理(PRP とOPRP)とHACCP が効果的か、安全かどうかを検査して検証することが必要になります。以下の4 点が主に行われています。

まず、一般的衛生管理の実施で、製造環境がきれいになっているかを検証します。拭きとり検査や落下菌検査(一定時間菌を培養して、菌数により清潔さを計測する方法)、落下じん検査(落下じんカウンターで、一定時間に落ちてきたほこりを計測する方法)などが主なものになります。検証対象と頻度を決めて検証します。

2 つ目に、細菌検査により製品そのものが安全かを検証します。製造後1 週間目、3 週間目、5 週間目など、経時変化の様子も検査します。

3 つ目に、クレームや回収が発生した場合の検証を行います。検証というよりも、原因を追跡し、再発防止の対策を打ちます。

最後に、実施中の食品安全体制が、今のままでいいかを検証します。年に1~2回の頻度で行うのがよいでしょう。例えば、半年間オペレーション一般的衛生管理OPRP とCCP を実施してきて、それがよいのか?HACCP チームは今のままでいいのか? 人や機器資材で必要なもの、不要なものはないか? 社内コミュニケーションは問題ないか? など、安全管理を構築する体制全体について検証します。

4つの検証項目
図3:4つの検証項目

3. 安全管理の記録と保管方法

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全4回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 HACCPとは何か?
  • 第2回 一般的衛生管理を科学的に!OPRPとは?
  • 第3回 HACCPの運用方法
  • 第4回 やりっ放しにしない!HACCPの検証方法

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