前回は、階層化の上方機能展開により、新しい発明品が生まれる可能性を解説しました。今回は、下方機能展開とFTA の実施方法を解説します。
第3回「下方機能展開とFTA」を解説していきます。
第3回もくじ
1. 下方機能展開:機能を実現する部品やユニットを考える!
上方機能展開では、発明品のアイデアが広がります。しかし、実際にはコスト・納期・人員などの開発原資の制約があり、開発する製品を絞る必要があります。その後、下方機能展開で、各機能を実現するための手段として、ユニットや部品を選択していきます。図1は、従来の扇風機をスケッチ的に下方機能展開したブロック図です。起風機能から、抽象的に表現をした機能(横軸)を、一つ一つ具体的な機能や手段に展開していき(縦軸)、ユニットや部品に近付けます。
2. 直列と並列の考え方が、信頼性設計のポイント
下方機能展開で重要なのは、全体構造をイメージしながら、各機能を並列と直列のどちらにするかを考えながら作成することです。さらに、ユニットや部品などの手段も、同様に機能を並列と直列のどちらにするかを考えます。
ここでいう並列とは、もう一つ同じ機能を持つブロックを平行に並べて、機能を付加するという意味です。例えば、図1 の本体操作部とリモコン操作部です。扇風機の操作という機能は同じで、片方のどちらでも操作は可能です。従来の機能展開によるブロック図では、並列を表現できないので、今回は分岐点に○を付けました。並列は同時に、全ての並列する機能ブロックが故障しないと、全体の故障につながりません。よって、構造的に強いといえます。直列とは、1つの機能を1 個のブロックが担当し、そのブロックが順につながっているという意味です。1つの機能ブロックが故障すれば、全体の故障につながる上位故障が起こります。その点で、直列は信頼性が低いといえます。従来の部品構成図を基にした機能展開から脱却し、例えるとピカソのスケッチのような、実写ではなく、創造的な機能展開が大事なのです(図2)。
3. FTA(故障の木解析)は、構造の見直しが鍵!
4. FTA の重要なポイント
5. FTA の注意点
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 もったいない!FMEA/FTAの実態
- 第2回 機能階層化のコツ
- 第3回 下方機能展開とFTA
- 第4回 4つの関門を突破するツール
- 第5回 FMEAでは部品選択と評価がポイント!
- 第6回 工程のFMEA・設備のFMEA