前回は、食品添加物の1 日摂取許容量と使用基準がどのように決められているのか、安全性の根拠となる毒性試験の方法や、許容量の算出方法を解説しました。今回は、食品添加物の食品表示に関する規定や、記載が免除される場合を取り上げます。
第6回「食品添加物の表示ルール」を解説していきます。
1. 加工食品における食品表示規定
皆さんもご存じのとおり、全ての加工食品のパッケージに、原材料名などの食品表示欄(図1)があります。国民の健康志向の高まりとともに、食品に使用されている原材料や食品添加物、賞味期限などへの関心が高まっています。筆者が在籍している大学の学生を対象にした調査(武庫川女子大学の学生134 名)では、99% の人が「食品購入時、食品に記載されている、いずれかの表示を見る」と答えています。
この食品表示欄には、名称、原材料名、添加物、内容量、賞味期限、保存方法、製造者などが表示されています。以前は食品衛生法、JAS 法、健康増進法の3 つの法律により、表示ルールが定められていました。しかし複雑で分かりにくい制度だったため、2015(平成27)年4 月1日から、これら3 つの法律の規定を統合し、新しい食品表示基準を定めた食品表示法が施行されました。同法では、原材料名と添加物にそれぞれ記載欄を設けて表示する、もしくは原材料名欄に原材料と添加物を明確に区分して表示することになりました(図2)。なお、輸入食品の場合は、同様の表示とともに、原産国名の表示が義務付けられています。
2. 食品添加物の表示方法
ここからは、食品表示欄の中でも、食品添加物の表示に注目します。容器に入れられ、包装された加工食品は、原則として使用した全ての食品添加物を表示することが義務付けられています。表示方法は、容器または包装の見やすい箇所に、一括して表示し、原材料同様、食品添加物も重量の重い順に記載します。
食品添加物は、食品衛生法により、以下のリストに定められた物質名で表示することになっています。それぞれの物質名は、指定添加物は「食品衛生法施行規則別表第1」、既存添加物は「既存添加物名簿収載品目リスト」、一般飲食物添加物は「一般に食品として飲食に供されている物であって食品添加物として使用される品目リスト」により定められています。
しかし、これらの物質名は専門的で、消費者には分かりにくいものもあるため、分かりやすく、なじみのある簡略名や類別名で表示することが認められています。例えば、L- アスコルビン酸はビタミンC やV.C、コレカルシフェロールはビタミンD やV.D のように表示されます(表1)。なお、それぞれの物質名の簡略名も、全て食品衛生法によって定められたものです。
3. 使用目的の併記が必要な食品添加物8 種
4. 一括表示が可能な食品添加物
5. 食品添加物が表示を免除されるケース
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 食品添加物とは?
- 第2回 食品添加物のメリット・デメリット
- 第3回 食品添加物の種類
- 第4回 食品衛生法と食品添加物
- 第5回 食品添加物の安全性
- 第6回 食品添加物の表示ルール
- 第7回 食品添加物指定の条件と流れ