連続の式とベルヌーイの定理|流体力学(内部流れ編)の基礎知識2

流体力学の基礎知識

著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

前回は、流体と流れの概論と、流体を表す基礎式を解説しました。今回は、流れを表すさまざまな公式を取り上げます。まずは、流量と流速から見ていきましょう。

第2回「連続の式とベルヌーイの定理」を解説していきます。

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1. 流量と流速

流体がどのような速さで、どの方向に動くかを表す物理量には、流体の速度、いわゆる流速があります。流速は、単位時間当たりの流体の移動距離で表され、単位はm/s です。流速は場所と時間によって複雑に変動します。ただし、管路のような内部流れでは、一方向の流れに近似して考えることができます。

管路内の流量と速度
図1:管路内の流量と速度

例えば、図1 の断面積A を通るx 軸方向の流速は、管壁からの粘性による摩擦せん断応力や、管路の曲がり形状の影響を受けるため、断面上の位置により異なります。このような微小面積dA を通る流速u を、断面積A にわたり面積分すると以下の式で表すことができます。このQを体積流量、あるいは単に流量と呼びます。

これに対し、時間的に変動がない断面平均流速v を考えた場合、定められた時間tc の間に、断面積A を通る流体の体積V、すなわち流量Qは以下の式で表すことができます。

2. 圧力とせん断応力

流体の挙動を記述するために不可欠な物理量として、圧力とせん断応力があります。圧力p とせん断応力τは、それぞれ、流体中の壁や仮想の面の単位面積当たりに働く力の法線方向と接線方向の成分と定義され、単位はパスカル(Pa)です(図2)。

圧力とせん断応力
図2:圧力とせん断応力

圧力p とせん断応力τが、面積A にわたり均等であるならば、以下の関係式が成り立ちます。Fn は面に垂直に作用する力、Ft は面に平行に作用する力です。

圧力の大きさを表すには、基準圧の取り方によって2 つの方法があります。1 つは、完全真空を基準とする絶対圧力pA、もう1 つは、大気圧po(1013hPa=0.1013MPa)を基準とするゲージ圧力pG で、以下の式で表すことができます。

また、両者の関係は、図3 のように表すことができます。大気圧よりも低い圧力状態を真空といい、真空状態での負のゲージ圧を負圧、正のゲージ圧を正圧と呼びます。また、流体機器で用いられる圧力の国際単位系(SI)には、メガパスカル(MPa:Pa の10 6 倍)、またはキロパスカル(kPa:Pa の10 3 倍)があります。

絶対圧力とゲージ圧力の関係
図3:絶対圧力とゲージ圧力の関係

静止流体中の圧力には、以下の3 つの特徴があります。3 番目は、パスカルの原理として知られています。

1:空間において、任意の点における圧力の大きさは、全ての方向に無関係に等しい。
2:圧力は面が平面であれ、曲面であれ、その面に対して垂直方向に作用する。
3:密閉容器内の流体の一部分に与えられた圧力は、損失なく全部分へ伝達される。

図4 の連結管を例に、パスカルの原理を説明します。

連結管によるパスカルの原理の説明
図4:連結管によるパスカルの原理の説明

左側の小さい面積a のピストンに力f が加わると、シリンダ内に圧力p=f/a が発生します。この圧力p は連結管を経て、右側の大きい面積Aのピストンに同じ大きさで伝達し、以下に示す式のように、壁面からの反力F を生み出します。従って、連結管を用いることで、ピストンの面積比A/a に応じて力を増幅することが可能です。

3. レイノルズ数

4. 連続の式

5. ベルヌーイの定理

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全4回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 流体とは
  • 第2回 連続の式とベルヌーイの定理
  • 第3回 すきま流れ
  • 第4回 内部流体のエネルギー損失

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