前回は、第4次産業革命と呼ばれるインダストリー4.0を取り上げて解説しました。今回は、製品の生産形態に合わせた工場自動化について紹介します。
第4回もくじ
1. 製品の生産量と種類による生産形態の違い
1970年代頃から、マシニングセンタやターニングセンタといった、NC工作機械や産業用ロボットなどのプログラミング可能な自動化設備を統合したFMS(Flexible Manufacturing System)が登場し、多品種製品の混合生産を自動化することが可能になりました。しかし、製造する製品の種類や生産量は企業や工場によって異なるため、種類が多い場合には柔軟性を重視し、生産量が多い場合には生産効率を重視するなど、生産形態を変える必要があります。
製品の生産量と種類に応じた生産形態は、図1に示すように、トランスファーライン(TL)、フレキシブルトランスファーライン(FTL)、フレキシブルマニュファクチャリングシステム(FMS)、フレキシブルマニュファクチャリングセル(FMC)の4つに分類されます。なお、5つめに当たる汎用機とは、作業者が手動で操作する自動化されていない生産設備であり、生産効率は低いものの作業者のスキルによって多彩な製品の生産に対応できます。このことから、汎用機は製品の試作などに特化した、柔軟性が非常に高い生産形態といえます。また、インダストリー4.0が目標としているマス・カスタマイゼーションは、高い生産効率と柔軟性を兼ね備えた全く新しい生産形態といえます。
2. トランスファーライン(TL:Transfer Line)
トランスファーラインとは、生産効率を最優先する、大量生産のための生産形態です。工程分割により作業工程が分割され、自動化された製造設備が一つの作業工程を実行します。トランスファーラインのトランスファーは、移す・渡すという意味です。図2に示すように、搬送ラインに投入された素材は、搬送ライン上を最初の製造設備から次の製造設備へと移され、移動先の製造設備で一つの作業工程が実行され、徐々に完成品となります。
3.フレキシブルトランスファーライン(FTL:Flexible Transfer Line)
4.フレキシブルマニュファクチャリングシステム(FMS:Flexible Manufacturing System)
5.フレキシブルマニュファクチャリングセル(FMC:Flexible Manufacturing Cell)
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 ものづくりの歴史と工場自動化(前編)
- 第2回 ものづくりの歴史と工場自動化(後編)
- 第3回 インダストリー4.0(第4次産業革命)
- 第4回 生産形態に合わせたFA
- 第5回 無人機械加工工場の変遷と自動組立工場
- 第6回 協働ロボットの登場と近未来のスマートファクトリー