エミッション対策|EMCの基礎知識4

EMCの基礎知識

著者:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 副主任研究員 渡部 雄太

EMC(電磁両立性)には、エミッション(電気・電子機器が発する電磁ノイズ)と、イミュニティ(電磁ノイズに対する電気・電子機器の耐性)の2つの性能があります。今回は、エミッション対策というテーマで、電磁ノイズの種類と代表的な対策を解説します。

第4回「エミッション対策」を解説していきます。

基礎知識DL

1. ディファレンシャルモードノイズとコモンモードノイズ

電気・電子機器のノイズ源から発生する電磁ノイズは、その伝わり方により、ディファレンシャル(ノーマル)モードノイズと、コモンモードノイズの2つに分けられます。

ディファレンシャルモードノイズとコモンモードノイズ
図1:ディファレンシャルモードノイズとコモンモードノイズ

・ディファレンシャルモードノイズ
ディファレンシャルモードでは、ノイズ源から発生したノイズは、導線を通って伝わり、その線と組になる導線を通って戻ります(図1左)。往路がプラス側であれば、復路はマイナス側、また、往路が信号線の場合、復路はグランドになります。これは、電気・電子機器の電源や電気信号と同じ経路です。このとき、ノイズの流れは、行きと戻りの向きが逆になるため、ディファレンシャルモード(ノーマルモード)と呼ばれます。

・コモンモードノイズ
一方、コモンモードでは、電磁ノイズは通常の信号の伝わり方とは異なり、2本の組となる線に同相の信号が伝わります。送られた電気信号が戻ってくるのは、ディファレンシャルモードと同様です。しかし、コモンモードは組となる2本の線に同じ信号が伝わるため、これ以外の経路によって戻ってきます。実際のコモンモードノイズは、製品と基準グランド間にある浮遊容量や接地線などを介して、大地などの基準グランドを通って戻ります(図1右)。

このように、コモンモードノイズは大きなループでノイズが伝わるため、伝搬経路は効率の良いアンテナとなり、ディファレンシャルモードよりも大きな電磁ノイズを発生します。エミッション発生の主な原因は、コモンモードノイズです。そのため、コモンモードノイズに対する対策が極めて重要です。

2. 電磁ノイズの対策

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全7回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 EMCとは?
  • 第2回 エミッションとは?
  • 第3回 イミュニティとは?
  • 第4回 エミッション対策
  • 第5回 EMC試験の要求
  • 第6回 EMC規格の種類
  • 第7回 放射エミッション試験と簡易測定

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