放電加工機は、大きく2 種類に分けられます。形彫り放電加工機と、ワイヤ放電加工機です。形彫り放電加工機は、樹脂金型(インジェクションモールド)などの凹形状を加工します。ワイヤ放電加工機は、抜き金型のダイ形状やパンチ形状などを加工します。今回は、基本となるこれら 2 つの加工機の構造と特徴を説明します。(細穴放電加工機は本稿では割愛します)
第3回「形彫り放電加工機とワイヤ放電加工機」を解説していきます。
第3回もくじ
1. 形彫り放電加工機の構造と特徴
形彫り放電加工機は、形状加工された電極を用いて、電極が反転した形状に工作物を加工します(第 2 回の図 1 参照)。加工機の構造は図1 に示すような C 型コラム形状が一般的です。電極を取り付ける主軸(Z 軸)と、工作物を設置する X-Y テーブル、加工液をためる加工槽、加工用の電源装置、各軸を制御する NC(Numerical Control:数値制御)装置から構成されます。各軸とも、ボールねじを用いたサーボモータによる制御が一般的です。最近では、より応答性能を高めたリニアモータが利用される場合もあります。どちらのモータも、マイクロメートル単位の移動や位置決めができます。
加工槽には数百リットルの加工液をためることができます。加工液は常に循環させ、加工粉などの不純物をろ過しています。加工液には油系加工液が用いられます。火災の心配があるため、温度検知センサを備えた自動消火装置の取り付けが必須です。
電極材料には銅やグラファイトを用います。これは、加工精度や速度の向上が目的です。銅材やグラファイト材の電極材料は、丸や四角など一般的な形状のものが市販されています。図 2 に、丸棒銅電極により加工したサンプルを示します。必要な加工形状が市販の電極形状と異なる場合、切削加工により電極の形状を仕上げる必要があるため、余計に工程がかかります。
2. ワイヤ放電加工機の構造と特徴
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 放電加工とは?
- 第2回 放電加工の原理
- 第3回 形彫り放電加工機とワイヤ放電加工機
- 第4回 コンデンサ放電回路とトランジスタ放電回路
- 第5回 電極消耗のメカニズムと対策
- 第6回 放電条件と加工精度
- 第7回 放電加工の計測方法
- 第8回 微細放電加工とは?