前回は、ドローンの駆動系について説明しました。今回は、最終回です。ドローンがドローンたる所以ともいえる制御系を解説します。制御系が発達したことにより、ドローンは登場した当初に比べ格段に飛ばしやすくなった上、自律制御で自動航行することも可能になりました。搭載されるコンピュータの性能が向上したことで、より複雑な処理が機体上で行えるようにもなりました。ドローンの安定した飛行を支える制御系、そのカギとなるフライトコントローラ、そして各種のセンサを、紹介します。
第6回「制御系」を解説していきます。
第6回もくじ
1. フライトコントローラ
フライトコントローラ(FC)は、機上でさまざまな処理を行うコンピュータのことをいいます。ドローンの内部構造の中では、最も重要なパーツです(図1)。特に、機体の安定化や自律航行などを自動的に制御します。登場当初のフライトコントローラは、機体の安定化を主眼としたものでした。というのも、ただ飛ばすだけであれば、マルチコプターはモータの回転数制御を行うだけなので、物理的に複雑な機構を持つヘリコプターに比べて制御は簡単に行うことができます。しかし、いざ安定した飛行をさせようとすると、その制御は人力では困難でした。このため、何らかの安定機構が必要になりました。決して操縦が簡単というわけではないヘリコプターでも、練習すれば人力で何とか制御できていました。ところが、マルチコプターの制御はそれ以上に困難だったのです。
安定化を実現するため、当初搭載されていたのはジャイロでした。ジャイロというのは、角速度(1秒間に回転した角度)を検出するもので、機体における3軸の回転を検出することによって機体の安定化を図ります。これは、安定化の最も基本的な考え方となります。
現在のドローンでは、外界のさまざまな事象を検出することによって、単に機体の安定化だけではない、より高度な自動制御が行われています。かつて、フライトコントローラのハードウェアやソフトウェアはオープンソースのものが主流を占めていました。現在でも、ホビー分野ではオープンソースのものが多用されています。一方、メーカー製ドローンではより制御の高度化を図るため、フライトコントローラには専用のハードウェアやソフトウェアを用いており、プログラムも公開されないブラックボックス化が進んでいます。
オープンソースのフライトコントローラソフトとして、代表的なものにMulti Wii、Beta Flight、Clean Flight、ArduPilotなどがあります。市販されているフライトコントローラのハードウェアを購入する際には、どのソフトに対応しているかを確認する必要があります。
2. 使用されるセンサ
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 ドローンとヘリコプターの違い
- 第2回 ドローンの構成要素
- 第3回 ドローンのフレーム
- 第4回 ロータとは
- 第5回 駆動系
- 第6回 制御系