第3 回では、具体的な構想設計の手順を示しました。技術手段抽出表を用いて、その技術の開発を進めるかどうかの判断を行います。コストの視点は欠かすことができません。今回はその問題を取り上げます。
第4回「VEを使ったコスト見積もり」を解説していきます。
1. 設計変更とコストの関係
製品開発エンジニアの皆さんは、新しい機能の開発と、品質を安定させることのジレンマに悩むことが多いのではないでしょうか? 保守的な設計で製品を作り続けると、量産品質は安定し、部品や材料費も次第に下がってきます。しかし、新たな付加価値を生み出したり、性能を向上させることは難しく、次第に価格競争に突入します。また、開発から時間が経過すると周辺技術が新しくなるため、モデルチェンジが避けられないケースも出てきます。
新製品の開発では、ユーザーに新しい価値を提供する必要があります。コストや性能を含め、満足度の高い商品にするためには、構想設計が極めて重要です。一般に、設計変更はコスト増につながるといわれています。理由としては、構造や構成要素が新しくなるため材料費が増える、トラブル要因が増え対策のための費用が必要になることなどが挙げられます。
2. VE を使ったコスト検討
コスト増になりがちな設計変更。VE(Value Engineering:価値工学)の考え方を使うことを、おすすめします。VE では、コストと性能・品質を切り離して考えるのではなく、単位コスト当たりの機能を「価値」と定義し、その価値を向上させるための設計を行います。
構想設計段階では、多くの構成要素が具体化されておらず、コストの詳細見積もりが難しい場合がほとんどです。そのため、予測を含んだ概算的な見積もりで、VE を実施します。
3. VE を使ったコスト検討の手順
全5回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 擦り合わせ型開発と組み立て型開発
- 第2回 擦り合わせ開発の成功のための考え方
- 第3回 構想設計の進め方
- 第4回 VEを使ったコスト見積もり
- 第5回 構想設計の見直し方