鋳造に使用する鋳型には、大きく分けて、金型と砂型の2種類があります。今回は、砂型を取り上げます。砂型は、砂への添加剤や硬化方法によって、さまざまな種類があります。代表的な4つの砂型について、特徴や使用上の注意点を解説します。
第5回「砂型鋳造とは?」を解説していきます。
第5回もくじ
1. 砂型鋳造とは
砂型鋳造は、砂を材料とした型(砂型)で行う鋳造加工法です。上下2個から数個の型枠(鋳枠)を使って型込めし、それらを組み合わせて鋳型を作ります。砂型は1回ごとに造型(鋳型を作ること)し、鋳造が終わると鋳物を取り出すために壊す必要があります。鋳造加工で用いられる型には、砂型の他に金型があります。金型と比較した砂型のメリット・デメリットは以下のとおりです。
砂型のメリット
・初期投資(型費用)が安い
・試作期間が短い
・小ロット品に対応できる
・複雑な製品形状に対応できる
・大きな製品形状に対応できる
・鋳型のコストが低い
砂型のデメリット
・寸法精度に劣る
・鋳肌が粗い
・大量生産の製品には適さない
・ランニングコストが高い
一口に砂型といっても、さまざまな種類があります。主な砂型の種類を表1にまとめました。それぞれの詳細を見ていきましょう。
2. 生砂型
生砂型は、ケイ砂に7~15%のベントナイトと、3~4%の水分、少量のでん粉、石炭粉などを添加して作ります。鋳型は、高温の溶湯を鋳込むため、溶湯圧力および溶湯温度に十分耐えうる材料である必要があります。主原料のケイ砂は1,745℃の耐熱性を持つ耐火物で、注湯時に鋳型を保持できます。
粘結剤のベントナイトは、粘土鉱物モンモリロナイトの一種です。ベントナイトに水を加えると、砂粒間を結合します。しかし、混練された状態のベントナイトは十分な粘結力があるため、砂の流動性を低下させて充填性が悪くなります。生砂型を造型する際は、他の鋳型よりも大きな外力を加えて砂を充填する必要があります。
でん粉は、アミロースとアミノペクチンの混合物です。鋳型表面の安定剤として作用し、鋳造欠陥の防止に役立ちます。防止する欠陥の例として、すくわれ(鋳物表面に不規則に突出した金属が発生すること)や、絞られ(注湯の加熱で鋳型の砂粒子が膨張して、押し出され溝状のくぼみとなること)などがあります。
石炭粉は、鋳型内を還元性雰囲気に保ち、溶湯が鋳込まれた際の鋳肌の改善に役立ちます。生型に溶湯が鋳込まれると、粘結剤、添加剤、水分などの熱分解によりガスを発生します。これらのガスを逃がすために、生砂型には十分な通気性が必要です。
3. 自硬性鋳型
4. ガス硬化性鋳型
5. シェルモールド(熱硬化性鋳型)
6. 砂型の長所・短所のまとめ
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 鋳造加工の特徴と材料
- 第2回 鋳造加工の種類
- 第3回 鉄系鋳造材料の種類
- 第4回 非鉄系鋳造材料の種類
- 第5回 砂型鋳造とは?
- 第6回 金型鋳造とは?
- 第7回 鋳巣の種類と検査方法
- 第8回 鋳物の設計