非鉄系鋳造材料の種類|鋳造加工の基礎知識4

鋳造加工の基礎知識
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 製造学科 教授 西 直美

鋳造材料は、鉄系と非鉄系に分類されます。前回は、鉄系鋳造材料を紹介しました。今回取り上げるのは、非鉄系鋳造材料です。銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金について、詳しく紹介します。

第4回「非鉄系鋳造材料の種類」を解説していきます。

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1. 銅合金の種類と性質

銅合金による鋳造品(銅鋳物)の特徴は、電気伝導、熱伝導、耐食性、強度、耐摩耗性、軸受特性に優れ、鋳肌がきれいなどです。銅合金の鋳造法として、最も多く用いられるのは砂型鋳造です。その他にも、重力金型鋳造、ダイカストなどがあります。銅鋳物には大きく分けて、純銅鋳物、黄銅鋳物、高力黄銅鋳物、青銅鋳物の4種類があります(表1)。

主な銅合金鋳物の種類、特徴、用途
表1:主な銅合金鋳物の種類、特徴、用途

・純銅鋳物
純銅鋳物は、純度の違いにより、さらに3種類に分けられます(CAC101、102、103)。優れた熱伝導・電気伝導率を生かして、架線金具、電気機器の部品全般、電極ホルダーなどに使用されます。

・黄銅鋳物
黄銅鋳物は、銅Cuと亜鉛Znの合金で、真鍮(しんちゅう)とも呼ばれます。鋳造性に優れ、耐食性や耐磨耗性などの性質も備えています。主な用途は、電機部品、計器部品、建築金具、日用品、雑貨品などです。黄銅鋳物に、アルミニウムAl、鉄Fe、マンガンMn、スズSn、ニッケルNiなどを添加したものが、高力黄銅鋳物です。耐食性や耐磨耗性に優れた合金で、船舶用プロペラ軸受けなどに使用されます。

・青銅鋳物
青銅鋳物は、銅CuとスズSn、亜鉛Zn、鉛Pbの合金です。鋳造性、耐圧性、耐摩耗性、耐食性に優れ、鋳肌もきれいです。ただし、熱伝導・電気伝導性、機械的性質は、黄銅よりも劣ります。軸受、バルブ、ポンプ胴体などの機械部品のほか、景観鋳物、美術鋳物などにも使用されます。青銅にリンPを添加したりん青銅や、鉛Pbを添加した鉛青銅、アルミニウムAlを添加したアルミニウム青銅、ケイ素Siを添加したシルジン青銅などがあります。最近では人体や環境に有害な鉛Pbの代わりに、ビスマスBiやセレンSeを添加した合金も使用されています。

2. アルミニウム合金の種類と性質

アルミニウム合金鋳物は軽量で、熱伝導・電気伝導性、耐食性、機械的性質、リサイクル性に優れ、外観もきれいです。アルミニウム合金の鋳造法として、最も多く用いられるのはダイカストです。その他にも、砂型鋳造、重力金型鋳造などが用いられます。アルミニウム合金鋳物は、Al-Cu系合金、Al-Si系合金、Al-Mg系合金に大別されます。表2に、使用頻度の高いアルミニウム合金をまとめました。

主なアルミニウム合金鋳物の種類、特徴、用途
表2:主なアルミニウム合金鋳物の種類、特徴、用途

・Al-Cu 系合金
Al-Cu系合金には、Al-Cu-Mg系合金、Al-Cu-Si系合金、Al-Cu-Ni-Mg系合金の種類があります。Al-Cu-Mg系合金は、強じん性、切削性、電気伝導性に優れ、自転車用部品や航空機用油圧部品などに使用されます。Al-Cu-Si系合金は、機械的性質、鋳造性、被削性、溶接性に優れ、シリンダーヘッド、マニホールド、足回り部品などの自動車部品などに広く使用されます。Al-Cu-Ni-Mg系合金は、高温強度、切削性、耐摩耗性に優れ、空冷シリンダーヘッド、航空機用エンジン部品などに使用されます。

・Al-Si 系合金
Al-Si 系合金には、Al-Si系合金、Al-Si-Mg系合金、Al-Si-Cu系合金、Al-Si-Cu-Mg系合金、Al-Si-Cu-Ni-Mg系合金、Al-Si-Cu-Mg-Ni系合金の種類があります。Al-Si系合金は、流動性が良く、耐食性、溶接性に優れています。ただし、機械的特質、被削性に劣り、ケース類、カバー類などの薄肉、複雑な形状の鋳物に使用されます。Al-Si-Mg 系合金は、鋳造性・機械的性質に優れ、エンジン部品、車両部品、船舶用部品などに使用されます。特にAC4CHは、不純物の含有が厳しく規制された合金で、自動車用ホイールなど保安部品に使用されます。Al-Si-Cu系合金は、耐食性に劣るものの、鋳造性、機械的性質に優れ、自動車用、電気機器用、産業機械用部品など広い分野で利用されています。ダイカストで使用されるADC10やADC12は、この合金系に属します。Al-Si-Cu-Mg 系合金は、鋳造性、機械的性質に優れ、耐圧性が要求される部品に使用されます。Al-Si-Cu-Ni-Mg系合金、Al-Si-Cu-Mg-Ni系合金は、熱膨張係数が小さく、耐摩耗性、耐熱性に優れ、自動車エンジンのピストンに使用されます。

・Al-Mg 系合金
Al-Mg系合金は、耐食性に優れ、機械的性質、切削性ともに良好です。ただし、鋳造性は良くありません。ダイカスト用合金であるADC5、ADC6は、この合金系に属します。船舶部品、食料用器具、化学用部品などに使用されます。

3. マグネシウム合金の種類と性質

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全8回で下記の内容を解説しています。

  • 第1回 鋳造加工の特徴と材料
  • 第2回 鋳造加工の種類
  • 第3回 鉄系鋳造材料の種類
  • 第4回 非鉄系鋳造材料の種類
  • 第5回 砂型鋳造とは?
  • 第6回 金型鋳造とは?
  • 第7回 鋳巣の種類と検査方法
  • 第8回 鋳物の設計

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