前回は、段ボール原紙について、分類や製造工程、試験方法などを解説しました。今回は、その段ボール原紙を使って製造される、実際の段ボール製品について解説します。
第2回「段ボール・段ボール箱」を解説していきます。
1. 段ボールの種類
段ボールはJIS Z 0104 にその定義があり、「波形に成形した中芯の片面または両面にライナを貼ったもの。種類によって片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボールがある。また、用途によって外装用、内装用、個装用段ボールに分類する」と示されています(図1)。
中芯の段のことを、フルートと呼びます。日本ではA、B、C フルートにおける各段の数が、JIS Z 1516 で規定されています。段の種類を、表1に示します。段繰率とは、ライナの長さと、それに対して中芯に必要とされる長さとの比のことです。また、段高とは、中芯の段の高さのことで、段ボールの厚さに対応します。A フルートは約5mm、C フルートは約4mm、B フルートは約3mmとなります。厚さの順にA、B、Cとなっていないのは、開発された順にアルファベットを割り当てたためです。
また、複両面段ボールの場合は、AB フルート、BC フルートといった呼び方をし、それぞれBAF、BCFと記号表記します。さらに、複々両面段ボールの場合はAAA、BAA のように表記します。この他に、段高が1mm以下で、マイクロフルートとも呼ばれるF フルートやG フルートがあり、主に紙器の代替として使用されています。
2. 段ボール箱の形式
段ボール箱の形式はJIS Z 1507で規定されており、表2 のように分類されます。形式は、4 桁のコード番号で示され、上2 桁は基本形式、下2 桁は個別形式を表しています。01 形と08 形はありません。
最も基本的な形式は、0201 形です。0201 形の展開図と各部の名称を図2に、また、02形から09形までの代表的な形式を表3~9に示します。
02 形は、原則としてワンピースであり、フラップと継ぎしろを持つタイプです。
03 形は、ツーピース以上で構成されるタイプであり、身箱・ふた形式とも呼ばれます。
04 形は、ワンピースで、継ぎしろなしで組み立てられるタイプです。特に0406と0407 は、ラップアラウンド形式と呼ばれます。
05 形は、基本的には、外枠とそれに差し込む内枠からなるタイプです。
06 形は、3 つの部材からなり、接合して組み立てられます。0602 形のみであり、ブリスボックスとも呼ばれます。
07形は、ワンピースで簡単に組み立てられるタイプです。特に0712形は、底フラップの一部が接着されており、折りたたまれた状態の箱を開くと、自然に底面ができるようになっています。こうした形式を、ワンタッチケースと呼んでいます。
09 形は、仕切りやパッドなど、段ボール箱に使用する附属類のことです。
段ボールは加工が容易であるため、内容品の特性やユーザーの要求によって、さまざまな形式の箱を作ることが可能です。そのため、国内ではJIS 以外にも多くの形式が考案され、使用されています。特に、食品や家電などで使用されているJIS 以外の代表的な形式は、次のとおりです。
・仕切り一体型形式
外観は0201 形に似ていますが、箱の中が2 つに区切られるところが大きく異なります。箱を組み立てると、中に1 枚の仕切りができるため、スタンディングパウチなど、不安定な製品の収納に使用されます。フラップを開いて天面から見るとH 字に見えるので、H ボックスとも呼ばれます(図3)。
・ふた付き組み立てトレイ形式
組み立てトレイにふたが付いた形式であり、水産品などでよく使用されています(図4)。
・天再封かん形式
0201 形の天フラップをスライドさせ、差し込むことで封かんでき、再封かんも可能な形式です。青果物や家電などで、よく使用されています(図5)。
・天二重ロック形式
0712 形の二重の天ふたを改良した、ふたがロックできる形式です。粘着テープなどを使わなくても、しっかりと封かんできます。小型家電などで使用されています(図6)。
段ボール箱の寸法表示方法では、内寸法をmm で示します(JIS Z 1506)。長さa、幅b、深さc の順に、a×b×c のように表記します。また、0201 形などの胴面の短い方を幅面、長い方を長さ面と呼びます(図7)。
次に、面、りょう(稜)、角(かど)の記号表示方法です。0201 形段ボール箱のような直方体容器の場合、その記号表記方法がJIS Z 0201 に記載されています。幅面の片方を正面に置き、図8 に示す方法で記号を付けていきます。
・面
天面を1、右の長さ面を2、底面を3、左の長さ面を4、前の幅面を5、後ろの幅面を6 として面1 や面3 のように、数字で表示します。0201 形のように継ぎしろがある場合、継ぎしろを右側にして置いたときの幅面を正面にして、面5とします。2 つ以上の継ぎしろがある場合は、任意の幅面の1 つを5とします。
・りょう
りょうは、面と面が接する部分をいいます。この場合、りょうを形成している2 つの面の数字を示します。例えば、りょう1-6 のように、数字の小さい方から順に示します。
・角
角は、3 つの面が接する部分をいいます。この場合も、例えば、角2-3-6 のように、数字は小さいものから順に示します。
3. 段ボールの評価方法
全6回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 段ボール原紙
- 第2回 段ボール・段ボール箱
- 第3回 段ボールの製造工程
- 第4回 段ボール包装設計
- 第5回 段ボール箱の特性
- 第6回 主な包装貨物試験方法