前回は、ろう付けの一般的な継手形状や隙間について、解説しました。これまでの内容は、ろう付けの原理や技術的な基礎でした。今回は、いよいよ最終回。ろう付けの健全な継手を得るコツや、ろう付けの具体的な手順、そしてろう付けの将来的視野を科学的な視点で紹介します。
第7回「ろう付けの方法とろう付け部の欠陥」を解説していきます。
第7回もくじ
1. ろう付けの手順
ろう付けは、被接合材(部品)を金属材料でつなぐ技術です。モノづくりで使われる被接合材を理解して、ろう付けをする必要があります。ろう付けの手順は、受入・検査、前処理、部品の組立、フラックス塗布、加熱、ろう材供給、冷却、取出し、後処理、検査、検数・出荷に分かれています(表1)。
まずは、受入・検査で部品受領時の確認作業が重要です。最初に、部品形状や表面状態などに問題がないことを確認します。形状不良や表面の傷や酸化などは、ろう付け不良の原因となります。部品の形状不良は、隙間のばらつきにつながりやすく、ろう付けの仕上がりに影響します。表面の傷は、溶融ろう材の不均質なぬれを誘発し、これも仕上がりに影響します。不良品を取り除くことが、健全なろう付け体を得るための近道です。その後、前処理、部品の組立を経て、フラックスを塗布し、ろう材を添付して加熱します。一連の作業でポイントとなるのは、継手設計、母材、ろう材、加熱源、保護雰囲気およびフラックスの5要素です。この5要素を十分に理解し、それらを考慮した適切なろう付け条件を設定できれば、失敗することはありません。また、ろう付けに向いている母材は少ないので、母材構成元素の挙動を把握し、適切なろう付け条件を設定する必要があります。
2. ろう付け部の欠陥と検査方法
全7回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 ろう付けとは
- 第2回 ろう材の種類とぬれ
- 第3回 ろう付けと冶金
- 第4回 フラックスと雰囲気の役割
- 第5回 加熱源の種類
- 第6回 ろう付けの継手設計
- 第7回 ろう付けの方法とろう付け部の欠陥