前回までは、接着剤の種類と特徴・欠点・使用上の注意点などを解説しました。今回は、数多くの接着剤の中から要求する機能・特性に適合する製品の選定方法と、選定接着剤の適否を判定する方法について説明します。
第5回「接着剤の選び方」を解説していきます。
1. 接着剤の選定プロセス
接着剤の選定プロセスは、大きく4 ステップに分けられます(図1)。接着剤の種類はとても多いので、一つ一つ試していては時間が足りません。今回は、筆者が長年の経験から編み出した方法を使いながら、簡単・確実に要求に適した接着剤を選ぶ方法を紹介します。それぞれのステップを具体的に見ていきましょう。
2. 欠点に着目した接着剤の選定法
接着剤の選定方法として、よく用いられるのが交差表です。被着材同士の素材の組み合わせで、使用に適した接着剤を選定します。しかし表面改質を行えば、ほぼ全ての被着材料で接着が可能になるので(参照:第2 回)、候補が絞りにくくなり、選定に迷うかもしれません。
筆者がお勧めしたいのは、接着剤の欠点に着目して選定することです。使用環境と接着剤の欠点を照らし合わせ、環境に適さない接着剤を除外していけば、必要な要求機能を満たした接着剤を簡易なプロセスで選定できます。また、接着トラブルの多くは接着剤の欠点に関する知識不足から起こるため、トラブル防止にも役立ちます。
欠点に着目した接着剤選定チェックリストを巻末に載せました。この表には、各接着剤の留意事項を挙げてあります。上から順にチェックし、回答が× であればその接着剤は適さないので次の候補へ進むという使い方をしてください。
3. 候補接着剤の精査
4. カタログ検討時の注意点
5. 選定品の適否判定法
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 接着の原理とは?高信頼性・高品質接着とは?
- 第2回 接着の最適化とは?内部応力とは?
- 第3回 構造用接着剤の種類と選び方
- 第4回 エンジニアリング接着剤とは?
- 第5回 接着剤の選び方
- 第6回 接着における強度の考え方
- 第7回 接着部品の構造設計
- 第8回 接着施工のポイント