前回は、事例を見ながら、5S 活動の意味、目的、要素を学びました。今回は、5S 活動の枠組みと、1 つ目の要素「整理」を解説します。
第2回「5S活動の整理とは?」を解説していきます。
1. 5S 活動の枠組み
5S 活動を始めるときに注意すべきは、5 つの要素がつながっているということです。それぞれの要素を単独の「点」ではなく、1 つの流れとして捉えます。そして、組織で取り組むときには、2S(整理・整頓)と2S(清掃・清潔)と1S(しつけ)の枠組みで考えます。この3 つの段階を踏んで5S 活動は完成し、維持されます。
2S(整理・整頓):実際にものを動かして、5S 活動の環境を整える
2S(清掃・清潔):ものを動かした後に、それを維持する仕組みを構築する
1S(しつけ):作り上げた5S の環境を、全員で守るルールを作る
2. 5S 活動の「整理」とは?
5S 活動の「整理」とは、シンプルに「不要なものを捨て、必要なものだけを残す」という意味です。単純にいえば、要らないものを捨てることですが、注意が必要です。組織にはいろいろな価値観があり、キャリアや立場によって不要なものの意味は違います。例えば、新人が不要と思う古い機械も、ベテランにとっては重要だったりします。また一見すると不要な文書も、他の部門にとっては重要だったりします。不要の意味が組織の中で統一されていない、理解されていないために、職場では不要なものが次第に増えていきます。
組織がものを捨てられない原因となる心理は、次の3 つです。
1. 使うかもしれない(将来への恐れ)
2. もったいない(高価なもの)
3. 思い出がいっぱい(会長や社長の思い入れ)
この中で一番厄介なものは、1 の使うかもしれないです。業務は多岐にわたり、先々のことも分かりません。「取りあえず置いておこう」という心理から、文書や古い機械が残ります。しかし、3年間1回も使用しなかった文書や機械を、4 年目以降使うことはほとんどありません。個人の生活でも3 年間一度も袖を通さなかった服を、4 年目に着ることはまれでしょう。アメリカの記録学会は「実際に使っている文書の99% は、1 年以内に作られたもの」という統計を出しています。
現実は、机の周り、工場や倉庫の片隅には二度と使わないものが残っていませんか? 図1 に、倉庫の整理の様子を示します。整理後の倉庫には、ほとんど荷物がありません。いかに使用しないものを保管していたかが分かります。
2 のもったいないも、組織の中には根強く残っています。高価なため、使わないのに会社や工場の中に居座っているものがあるでしょう。3 の思い出がいっぱいは、会長や社長などが過去の栄光にこだわり、古いものが残っているケースです。
3. プロセス共有のための赤札作戦
4. 「 整理」の注意点
全8回で下記の内容を解説しています。
- 第1回 5S活動に取り組むべき理由
- 第2回 5S活動の整理とは?
- 第3回 5S活動の整頓とは?
- 第4回 5S活動の清掃・清潔・しつけとは?
- 第5回 5Sルールと組織風土
- 第6回 現場から利益を生み出す
- 第7回 5S活動と教育訓練
- 第8回 5S活動の目的と効果