イプロスリサーチ エンジニアの環境問題に対する意識調査|お知らせ

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お知らせ

2008.07.23

イプロスリサーチ エンジニアの環境問題に対する意識調査

生産財に特化した、エンジニア向け製品情報サイトで国内最大シェアを持つイプロスを運営する株式会社イプロス(東京都港区・代表取締役岡田登志夫・(株)キーエンス100%出資)は、20万人超の会員へ向けて「環境問題に対する意識調査」を実施しました。今回これを基にまとめた調査・予測レポートを発表いたします。

北海道洞爺湖サミットでは、世界経済、環境・気候変動、アフリカ開発及び政治問題を主要議題として、G8首脳による議論が行われました。「北海道洞爺湖サミット」は別名「地球環境サミット」とも呼ばれ、環境問題は全世界共通の問題であることが改めて明白にされました。製造業界に於いても、各企業が環境に対する強い意識を持ち始め、現場への指導等含め積極的に取組みを実施し始めています。
「製造業現場のエンジニアは実際に環境問題についてどのように考えているのか」今回のアンケートを基にまとめた調査・予測レポートは以下の通りとなります。

【実施期間】2008年4月17日~2008年5月31日
【有効回答】1071件
【内訳】業種:製造-73.3%、サービス-7.1%、建設-5.3%、学校・研究-2.9%
分野:生産機械-14.5%、自動車-10.2%、電子機器-8.6%、化学-7.9%、家電-5.5%

環境問題に対してどのような取り組みを行っていますか?

『あなたの会社では環境問題に対してどのような取り組みを行っていますか?』という問いに対し、「特に取り組んでいない」との回答はわずかに5.2%。
実に9割超の企業で何らかの環境対策が講じられています。内訳としては『廃棄物の削減・分別』がトップ、これに『省エネルギー』『リサイクル』が続きます。
これらは比較的容易に取り組めることや、資材を有効に活用することで“経費の節減”にも直結することから、幅広い現場で意識、実践されているようです。

環境対策が企業活動の中で実施される以上、その採算性・企業競争力への影響は、重要な判断基準です。
そこで『環境対策によって企業の競争力は上がるか?』という質問をしたところ6 割弱が「上がる」とし、そのほか4 割は「わからない」「関係ない」との回答が得られました。
「下がる」との回答がごくわずかだったことを鑑みると、企業競争力という視点では少なくともマイナスと考えられているわけではないようです。
「企業競争力が上がる」とする理由としては『コストダウンにつながる』『付加価値・差別化として十分な魅力』『社会・市場の要求』や『PR効果・イメージ向上』『法・規制への対応』などが挙げられました。また、『大企業からの要望が強まっている』というBtoB独特の事情も見受けられました。

環境対策で成果をあげれば技術者としての評価は上がると思いますか?

先の競争力に関するアンケートと同様、企業規模が大きいほど『評価が上がる』の割合が大きくなっています。
中小企業などにおける環境対策の位置付けに『大企業からの要望』が見られたことからも、大企業が内外に対して環境対応を求めていることがわかります。
技術者の評価が上がる理由としては『環境対策自体がミッションになっている』という直接的なものもありましたが、『環境対応によるコスト削減効果』や『差別化』、またそれによる『利益の確保』ができたときに評価されるという、企業経営に照らした評価制度が多く見られました。
実際に、省エネなどに貢献した場合の報奨などもあるようです。
また、『環境は絶対必要な技術』『高い技術力を証明できる』『世のため、人のためになる』『環境への視点を常識として持ちあわせていなければ、技術者としてNG』など、技術者としてのプライドの面からも、“評価に値する”というコメントが寄せられました。

製造業の現場でできること・・・エンジニアの生の声

  • ・小さなことからコツコツと。一人一人が継続的に取り組むことが一番大事。
  • ・まず情報を集め、本当に環境負荷の少ない製品を選ぶ。環境に便乗した商売に乗らない。
  • ・取り扱っている商品は従来リサイクルしがたいものだったが、社会情勢からリサイクルを求められるようになってきた。技術者としては当然取り組むべき課題。
  • ・環境へのアプローチは小規模でもいいので実践することが大事。中小企業ではまだまだなので、行政が主導する形でも良いのでもっと推進してほしい。
  • ・有機溶剤使用商品から水系・ノンソンベルト系への転換を提案し、商品企画・開発につなげていきたい。
  • ・コスト圧縮が当面の課題なので、環境対策はそれからです。
  • ・リサイクルが本当に環境対策に繋がるのか疑問がある。その処理エネルギーをよりクリーンなものとし、CO2 削減ができるように取り組んでいかなくてはならない。
  • ・CO2 の排出を削減が叫ばれているが、CO2 を分解することはできないか?国家間で資金を出し合って進められないものか?火星に人が住めるようにするためのコストと比較してどうだろうか?
  • ・自分一人では何もできませんが、環境問題に真面目に取り組む姿勢をもった後輩、部下を育てることはできます。
  • ・研究発表の機会を利用して、社会的なコンセンサスの構築を働きかける。協力してもらえる人のネットワークを構築する。