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製造業のアジア展開で押さえておきたい各国成長戦略経済・産業分野のポイントを解説

製造業のアジア展開で押さえておきたい各国成長戦略

製造業のアジア展開で押さえておきたい各国成長戦略

主要産業や経済状況、政治背景などを踏まえた各国の成長戦略は、今後の国としての方向性を示したものであり事業展開で押さえるべき重要な指標です。

今回は、各国のGDP成長率と予測などの基本情報や製造業に関わる各国の成長戦略、そのなかで押さえるべきポイントについて解説した小冊子をご紹介します。

 

ご興味のある方はダウンロードしてご覧ください。

製造業のアジア展開で押さえておきたい各国成長戦略

製造業のアジア展開で押さえておきたい各国成長戦略

タイ王国 編 成長戦略

概況

2014年5月22日、クーデターによって成立した軍事政権であるプラユット政権。
現在も続くこの政権は、クーデター以降、報道の制限、SNSの検閲、一部地域の夜間外出禁止令など市民生活が不安定な状況である一方、2015年8月の内閣改造後に大胆な経済政策を発表しました。

その経済政策とは景気低迷脱却へ向けた経済刺激策と、高所得国への中期的な発展に向けての産業育成策の推進です。

 

これらの政策は農村や中小企業支援を目的とするものと、ハイテク産業やR&D活動を対象に海外企業誘致を目的としたものがあり、それぞれ短期と長期双方の視点で経済発展を見据えた内容となっています。

政治的な不安定さに注意が必要であるものの、今後の経済成長を考慮するとビジネスチャンスが大きく広がる可能性を持った国と言えるでしょう。

 

表1:タイ経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

タイ経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

表1を見てみると、プラユット政権が成立した2014年は、タクシン派と反タクシン派の対立による混乱後の政局安定・政府による景気刺激策があったものの、
前年の景気刺激策(自動車購入の税還付や最低賃金の引き上げなど) の反動や、一次産品の国際価格の下落、干ばつ、中国の経済減速などにより成長率が鈍化しました。

 

しかしIMF は、実質GDP成長率が2015年2.82%、2016年2.99%と回復し、さらに2021年まで3%前後の成長が続くとの見通しを示しています。

成長戦略

2015年9月1日以降、9月、10月、11月、翌年1月と立て続けに閣議決定した景気刺激策は農村を中心としたコミュニティー支援と中小企業支援を目的とした、国内産業への経済対策が中心でした。

これに対し閣議決定はされていないものの、検討中の「第12次国家経済社会開発計画(2017~2021年)」では実質GDPの中期成長率目標を5.0%とし、世界銀行が定義する「高所得国」への移行を2026年ごろには達成したい考えのようだ。
同計画の中で、産業構造の高度化による産業競争力強化のためとして育成を推進する産業を次世代自動車工業など10業種挙げています。

景気刺激策
 村落基金を通じた貸付拡大など農家の救済支援他に加え、中小企業に対する低利融資や法人税減税など中小企業の支援策が閣議決定され、これらによって国内経済の底上げを図っている。2016年1月26日発表の「村落・都市の共同体向けインフラ整備・機械類購入のための50万バーツの資金支援(総額150億バーツ)」は、タイ進出・販路開拓を考える日本企業にとって気にかけておくべきポイントといえる。

 

産業競争力強化
 村落基金を通じた貸付拡大など農家の救済支援他に加え、中小企業に対する低利融資や法人税減税など中小企業の支援策が閣議決定され、これらによって国内経済の底上げを図っている。2016年1月26日発表の「村落・都市の共同体向けインフラ整備・機械類購入のための50万バーツの資金支援(総額150億バーツ)」は、タイ進出・販路開拓を考える日本企業にとって気にかけておくべきポイントといえる。

上記の観点から2015年11月17日に成長を牽引する産業として、10業種を既存産業と未来産業に区別し指定しました。

 

一方、それと並行して2015年9月に「クラスター政策」を発表しています。これは指定産業の育成と競争力強化指定された地域において実施するもので、「スーパークラスター」「重点クラスター」に分け6業種を指定しています。

 

 

タイは以前より日本の自動車・家電産業と関係が深く、完成品・部品・機械メーカーなど多くの日本企業が進出しています。

将来の経済発展を見据えれば、既存産業の底上げと高所得入りを目指した未来産業の育成を図るプラユット政権の成長戦略は妥当と考えられるでしょう。

 

特にスーパークラスターに指定された自動車・自動二輪車と同部品や電気電子通信機器については、現在日本国内や先進諸国向けに生産されているハイエンド商品を対象としています。
そのことから、現時点ではタイ国内市場向けのニーズが拡大していないものの、日本を含む先進諸国向け輸出拠点として、あるいはそれらへの部品供給拠点として、活用の余地があると言えるでしょう。

 

自動車関連ではエンジン系部品、ボディー系部品、シャーシ系、タイヤのみならず電子部品関連も有望な事業であり、また電気電子関連では既存部品、先端部品の両方でタイ進出のメリットが見いだせます。

 

未来産業については販路開拓の可能性が顕在化している一方で、タイ以外の先進諸国やシンガポールなどの先行国、他のアジア諸国も同様に産業の高付加価値化を目指しており、これらの国々との競争激化が予想されます。

タイの政情ならびに市場動向の把握とともに、それら先行各国他のアジア諸国の動向にも注意を払いながら、タイへの販路開拓を進めていく必要があるでしょう。

インドネシア共和国 編 成長戦略

概況

インドネシアはなんと言っても、その人口の多さ、、約2.5 億人(世界4 位)と、その人口による消費と生産面で注目を浴びています。

しかし、マレーシアやタイと比べ、経済面では一歩後れを取っているように見受けられます。

 

そこで、

2014年10月に発足したジョコ内閣は、政治改革や汚職撲滅などを公約に掲げ、燃料補助金の削減補正予算によるインフラ投資の増額を実施しました。

2015年1月8日、ジョコ大統領は「国家中期発展計画(RPJMN)2015-2019」の大統領令にサインし将来の経済発展を目指すことを公表

2015年8月に内閣改造を行い、9月には政党対策により議席の過半数を獲得し政権運営を円滑化させることにより、2015年9月から2016年8月まで13次にわたる経済対策を次々と発表し取り組んでいます。

 

関連産業にかかわる日本企業にとってインドネシアは、次々と発表される経済対策ならびに中期発展計画によるビジネスチャンスが見いだせるのではないでしょうか。

 

表2:インドネシア経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

インドネシア経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

前ユドヨノ政権下での構造改革や中国・インドなどの資源需要の回復を背景に5%以上の経済成長を遂げていたインドネシア経済ですが、
2013年以降中国経済の減速の影響により徐々に成長率が鈍化しています。

 

しかし、ジョコ政権が発足した2014年10月以降4%台で推移していたものの、経済対策パッケージの効果が徐々に表れつつあり、IMFの予測では2020年の6%に向けて回復していくとされています。

成長戦略

(1) 経済刺激策

世界銀行が発表しているDoing Business 2016によると、インドネシアは「ビジネスのしやすさ」で109 位。

他のアジア諸国に比べると、水をあけられています。

 

そのため、経済刺激策の内容も規制緩和許認可手続きの簡素化などが多く、それによるビジネス環境の改善は日本企業にとってプラスに働くと見込まれます。

経済施策13次の詳細は資料をご覧ください。

 

国家中期発展計画(RPJMN)2015-2019
①教育・健康・住宅・心と人格面からの人材開発
②食糧自給・エネルギーと電気の自立・海洋開発・観光と製造業の開発
③村落間・地域間・所得階層間の収入格差の解消

計画は「個人と社会の質の向上」、「不平等を増加させない国家の繁栄・成長・生産性向上」、「低中所得者層の生産性向上と企業の成長性・柔軟性の両立」、「環境を破壊しない開発活動」を規範としています。

 

その中で、製造業についてはより付加価値の高い、加工プロセスによる産業の高度化が焦点です。

重点産業として、資源加工産業(農業・石油・鉱業)、労働集約的な消費財産業(機械・繊維・輸送・エレクトロニクス)、部品や原材料の製造業、グローバル生産ネットワークを活用する産業が挙がっている。
これら重点産業振興の中で中小企業を大手企業のバリューチェーンの中に組み込むことによって、雇用の拡大と人材育成につなげようとしています。

また、島国であることから、海洋開発の点で考えると、物流面では海上輸送が重要視されます。

港湾の整備、効率的な海上物流ネットワークの構築が経済発展のために不可欠であり、こういったところに成長ポテンシャルの高さがあるのではないでしょうか。

ベトナム社会主義共和国 編 成長戦略

概況

他のASEAN諸国とは異なる成長の軌跡をたどっている社会主義共和制国家・ベトナム。

共産党一党独裁を維持しながら市場経済化を進め、他国が為替・金融面など国際経済に大きく左右されてきたのに対し、ベトナム経済はアジア通貨危機やリーマンショックにも大きな影響を受けることなく好調に推移。
20年間伸びているのは特筆すべき点ではないでしょうか。

これは、ベトナムが外資導入による工業化を軸とした成長戦略と、為替規制による国際金融市場からの遮断を行っており、この施策が一定の効果をもたらしていると考えられます。

 

2016年4月に国会で採択された「2016-2020 年経済・社会発展5 カ年計画」の中で、今後の経済運営の方向性が示されています。

 

また、産業面では、他のASEAN 諸国と比べた人件費の安さ、労働者の質の高さ・勤勉さ・手先の器用さなどにより、労働集約型工業製品の生産拠点として脚光を浴びています。

日本のパナソニックはいち早く1998 年にテレビ工場、2003 年の冷蔵庫/洗濯機工場を立ち上げました。
。進出するのは日本企業にとどまらず、中国メーカーも進出を果たしています。

近年はエレクトロニクス関連産業が伸び、アメリカや韓国の携帯電話事業関連企業や半導体関連企業が次々と進出しています。

これらエレクトロニクス関連品目が今後もベトナムの輸出を押し上げると予想され、この流れは日本企業にとっても追い風となるでしょう。

さらに、ベトナムも参画しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉も合意に達し、ベトナム経済の発展が続く土壌は着実に整備されてきています。

 

表3:ベトナム経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

ベトナム経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

ベトナムの経済成長は、2007年のWTO加盟以降、海外から多くの資金が流入し、過剰な不動産投資が行われたため不動産バブルが発生、その結果、長い期間高水準で推移しています。

しかし一方でインフレが加速したため、政府は2012 年に引き締め策をとり、その結果不動産バブルがしぼみ、経済活動の低下につながったが、
2013年以降は海外からの大型投資も手伝って徐々に回復しています。

成長戦略

「2016~2020年経済・社会発展5カ年計画」において、アジア諸国と比較して高いGDP成長率(6.5~7.0%)を目標に設定しているベトナム。

その高い成長を維持するために掲げた、政策的に取り組む分野は以下のとおりです。

・エネルギー
・再生可能エネルギー( 特に風力、太陽光エネルギー)
・冶金
・石油化学
・ハイテクで環境にやさしい化学
・機械
・電子
・情報通信
・ソフトウェア
・農産物加工
・農業機械
・裾野産業

具体的な産業振興策については公にうたわれていませんが、2014年の投資法では、重点産業への投資に対して法人税の減免税制優遇策を示しています。

 

対象分野も広く、優遇税制を活用し、多くの企業に販路開拓・拡大のチャンスがあるといえるでしょう。

マレーシア 編 成長戦略

概況

親日国であるマレーシア。
その影響は1981年から22年間にわたり在任したマハティール元首相の、日本の発展を参考とする「ルック・イースト政策」や、1997~1998年のアジア通貨危機後に日本政府が経済支援を行ったことが要因のようです。

成長戦略

ビジネスチャンス

その1つが、第3国貿易によるサプライチェーンの広がりです。

TPPの発効により、アメリカをはじめ、今までマレーシアとFTA(自由貿易協定)が存在しなかった環太平洋の国々との市場アクセスが大きく改善すると見られている。

 

2つ目が、政府調達分野への参入機会の増大です。

マレーシアはWTO政府調達協定(GPA)を締結していないため、政府調達における規律が国際的約束として規定されたのはTPPが初めて。
TPP 発効後、公開入札を原則とすること、入札における内国民待遇および無差別原則などが規定されることから、参入機会が増大すると見られています。

 

ビジネスリスク

1つが、ブミプトラ政策への対応

ブミプトラ政策とは“経済格差を是正し、マレー人の社会的経済的地位の向上を目指す政策”ですが、これが企業活動の基盤となっています。

例えば、先端技術取得のための基金(Technology Acquisition Fund :TAF)など政府系補助金の申請には51%以上のマレー系資本が必要となっています。

 

2つ目が、労務コストの高騰と人材獲得の困難さです。

マレーシアの経済成長に伴う物価高騰に追いつくには、年間20%の賃上げが最低基準とされています。

また、マレー人の大多数は人間関係や職場環境にも順応性が高いために、中国系よりは人事管理が楽と考えられていますが、ジョブホッピングも多いため、引き止め策は人事戦略の重要なポイントです。

 

 

マレーシアへの進出には上記のようなビジネスチャンスとビジネスリスクが想定されます。
製造業は元々優遇されているものの、今後はTPP批准により大きな可能性を秘めるサービス分野にも注目です。
また、これらに関連するネットワーク・システム・生産設備・物流などの分野で、販路開拓を検討できるのではないのでしょうか。

シンガポール共和国 編 成長戦略

概況

シンガポールは、一人当たりGDP が日本の1.5 倍と、アジア諸国の中で比べると経済的な豊かさが際立つ国です。

世界において外貿易・投資分野のリーダーとなった現在は、国際的な主要金融機関も多く集結し、東南アジア最大の金融センターとなっています。

一方で、国策として製造業を産業の30% と定めており、工業立国としての一面を持っています。

成長戦略

ビジネスチャンス

その1つ目が、政府調達案件の獲得チャンスが増えることです。

政府からの国有企業への優遇措置はないものの、人材は政府関係から多くきており、一般の民間企業よりはるかに有利な状況となっていました。

しかし、TPPによる「反競争的な事業行為を禁止する競争法令」が制定されることで、監視機能が働き、純粋な競争原理のもとで事業活動が可能となり、現状、ほぼ国有企業が占めていた政府調達案件の獲得チャンスが増えると考えられています。

 

2つ目が、EC市場です。

シンガポールは外資に対する規制はなく、ネットインフラはASEAN諸国の中で最も進んでいると言われています。ネットワーク整備指数は、世界142カ国中2位(日本21位)。

また、Reebonz、Qoo10、Carousell、Shopee、LazadaなどのECサイトが広く浸透しており、モバイル化も進んでいます。これらの背景から、ターゲットを絞ったBtoB(企業間取引)における越境EC でもビジネスチャンスが広がると思われます。

 

3つ目は、イスカンダル計画プロジェクトの進行

「イスカンダル計画」とは、シンガポールと隣接するマレーシア・ジョホール州南部で行われいる大規模な都市開発計画で、シンガポール中心地まで車で1時間圏内に5つの主要エリア(5Flagships Zone)を開発する計画です。

東京23区とほぼ同じ国土面積のシンガポール。国土・資源・労働に限りがあるそのシンガポール企業にとって大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

 

ビジネスリスク

1つ目が、国有企業との競争です。

国有企業は財力、技術力に優れており、日系の中小企業は特に競合他社に負けない得意分野を持たなければ参入が困難とも言われています。

 

2つ目が、物価・人件費等のコスト

物価は世界で最も高いと言われ、家賃は、好物件であれば、東京の丸の内や銀座の2倍、更新時の家賃の上げ幅が30%以上になることも多数あります。

また、人材がひっ迫気味のシンガポールでは、外国人雇用税の引き上げと外国人就業規制の影響も受け、給与水準のベースは2014 年から2015 年に平均4% アップしており、中間管理職の賃金は日本と同レベルとも言われています。

 

 

シンガポールでは、電気・電子、研究・開発などの先進分野への積極投資により工業団地の再整備も図られており、今後、産業分野における影響力はさらに増してくると想定されています。

フィリピン共和国 編 成長戦略

概況

低迷が続いたフィリピン経済も近年は好調で、2012年以降の経済成長率は、ASEAN諸国の中でもトップクラスです。

これは、2010年に就任したアキノ前大統領の財政健全化により海外投資家の信任を得たことと、ペソ高による好調な個人消費によるもので、、IMFも高い成長率を予測しています。

 

表4:フィリピン経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

フィリピン経済成長の実績と予測:実質GDP成長率

 

しかしながら他のASEAN 諸国と比較して製造業に対する海外からの直接投資が少ないこともあり、フィリピン国内の雇用が増えず、失業率も高止まりしている状況です。

また、2016年6月に就任したドゥテルテ大統領は、経済政策面で前政権の継続を表明しているものの、米国に対する発言や麻薬取り締まり手法の過激さ、中国への接近などが国際社会の懸念となっています。

成長戦略

ドゥテルテ政権が発足後、具体的な成長戦略がまだ示されていませんが、項目の経済政策アジェンダと、それとともに大統領当選直後に発表されたアキノ前政権の経済政策の継承が今後の方向性になるものと考えられます。

その方針を比較する限り、大きな違いはなく、これまでのトレンドが続くものと思われます。

「ドゥテルテ大統領8 項目の経済政策アジェンダ」と「アキノ前政権の経済政策の継承」の詳細は資料をご覧ください。

 

現ドゥテルテ大統領政権となっても、前アキノ政権時代に承認された包括的自動車産業振興戦略に基づき2016年6月に三菱自動車の現地法人、7月にトヨタの現地法人に対する政府支援が発表されており、アキノ政権に引き続き産振興が実施されていることが分かります。

これにより、当該車種の生産拡大と車種追加が期待され、関連部品・生産設備を製造する企業にとって、フィリピンでの販路開拓の機会と捉えることができるでしょう。

中華人民共和国 編 成長戦略

概況

中国は日本の約26倍の国土面積と、日本の約10 倍の人口を有する大国です。

名目GDP は約69 億人民元(2015 年)、実質GDP は約60 億人民元(2015 年)となっている中国。

2015 年度のGDP 成長率は6.9%であり、かつての10%超えの成長に比べれば鈍化しているものの、G20加盟国の中ではインドに次いで2 番目の高さです。

 

中国の高度経済成長のけん引役は、労働力に支えられた輸出産業と言えます。90 年代後半より、日本や欧米各国の企業が製品生産コスト削減のために労働賃金の安い中国へ工場の移転を推し進め、中国は「世界の工場」といわれ、世界中に「made in China」が広がりました。

表5:中国経済成⻑の実績と予測:実質GDP成長率

中国経済成⻑の実績と予測:実質GDP成長率

 

中国のGDP に占める輸出の割合は約4 割だが、個人消費の割合は35%程度といわれており、おおよそアメリカで7 割、日本で6 割、ブラジルで6 割、インドでも5 割であることを考えれば、中国は個人消費だけが際だって少ないことが分かります。

しかし今後予測される人件費の上昇が進めば、同時に個人消費の伸びも期待できます。今後の経済成長は、輸出から内需、特に個人消費への移行がポイントになると考えられています。

成長戦略

2015年5月、『中国製造2025』という10カ年計画を中国政府が発表しました。

『中国製造2025』の狙いは「工場の自動化」(人件費が上昇する中、自動化による脱・労働集約型への移行)、「付加価値産業の強化」(値下げ競争が起きない分野の強化)、「内需型産業の水準向上」(内需中心の産業のグローバルマーケットへの展開)の3点です。

 

強化対象10産業のうち、航空宇宙、海洋設備・船舶、先端鉄道の分野はすでに中国が強い産業であり、電力、農業は、内需が世界で一番大きい分野です。

1. 新世代情報技術
2. 工作機械とロボット
3. 航空宇宙設備・機器
4. 海洋設備とハイテク船舶
5. 先端鉄道設備
6. 省エネ・新エネ自動車
7. 電力設備
8. 農業設備
9. 新素材
10. バイオおよび高性能医療機器

 

強みをさらに強化するという現実的な戦略と、内需に対応していく中で、グローバルマーケットでも戦えるだけの競争力をつけるという、地に足がついた戦略をとったといえる。

 

成長戦略の柱となる10 カ年計画のもと、製造業カテゴリーを強力に推し進めることで新たな中国の成長が期待される。

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